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  • 執筆者の写真Makiko Kaiser

哲学科の思い出

更新日:2020年8月16日

衝撃的な自殺のニュースがありましたね。

若くて美しいひと。安らかに休まれますように。


専門家でも何でもない、ただの素人ですが、自殺に関しては少し思い入れがあります。


自分が死のうと思ったことは幸いにしてありませんが、かつて在学した「文学部哲学科」というところには、死にたい願望を持った若者がたくさんいました。


死にたい。

手首を切った。

オーバードーズした。

閉鎖病棟に入った。


そういう話は複数の友人の体験談として、現在進行形で聞いていました。


何の役にも立たない自分を悔やんで、心理学の本などを読み漁ったりもしました。私も、苦しかったです。


村上春樹の表現を借りれば、「生の真っただ中で、全てが死を中心に回っていた」ような時期でした。(出典は「ノルウェイの森」、記憶ベースで書いているので正確な引用ではありません。)


そんな経験と、そのあと何年も生きてみて思うのは、「突然命を絶ったように見える人は、長年死ぬことを考えていたのだ」ということ、それと、非常に残念ながら「人が本気で死のうと決めたら、他人にはもうどうすることもできない」ということです。


社会的な成功度合いとか、生きて叶えたい夢とは別に、「死」を身近に感じつつ、選択肢としながら生きている人というのは、人口に対して一定程度の割合で、常に存在するものだと思います。(この辺りも「ノルウェイの森」を読むとちょっと納得できるかなと思います。)


ただし、健康な体が死ぬのは簡単なことではないので、失敗して助かる人も多いでしょう。もちろん、中には成功してしまう人もいるわけですが。


自ら死なないで欲しい。

焦らなくてもいつか必ず死ぬ日はくるので、それまでは生きてほしい。

死にたいと思ってしまったら、行動してしまう前に、誰かに電話でもして欲しい。


かつて死にたいと言っていた同級生たちは、今頃どこで何をしているでしょうか。「死にたい」と口にしていた分、黙って決めて逝ってしまう人よりは、生きたかったはずの彼ら。


どうか元気で、生きていて欲しいです。





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