• Makiko Kaiser

通訳翻訳夫婦、赤ちゃん言葉を学ぶ

最終更新: 2020年4月8日


子供が生まれた時、主人から要望されました。

子供に対して、英語でしゃべってくれと。


なかなかの難題だと思いましたね。

日本語ネイティブで、英語の子供語を知らなかったので、

そりゃ無理だよって思いました。

思った通り、いざ生まれても、日本語しか出てきませんでした。


だって、

「お腹空いたんでちゅか。いま抱っこしてあげまちゅからね。よちよち」

みたいなことを、あなたは英語で自然に言えますか。





赤ちゃんを育てている環境で英語を学んだのなら当然言えるのでしょうが

私は残念ながら日本の学校教育で中学一年生から学んだクチです。

「弾道ミサイル」「営業利益」などの単語は知ってても、

赤ちゃん言葉は知らなかったのです。


なので英語の赤ちゃん語はOJTで身につけました。

以下に共有します。


よしよし there, there


(赤ちゃんに向かって)抱っこするね Mummy/Daddy pick you up?

  なんで動詞を活用しないんだろうと不思議でしたが、Shall Daddy pick you up? の shall が落ちたからだ、とのことです。動詞を使ったセンテンスは全部このパターン。


stroke (動) 撫でる


哺乳瓶 bottle

 なんだ、これそのまんまじゃないかと思いました。日本語の方が「哺乳」ってなんだかちょっと漢字が小難しい。


粉ミルク milk, formula


搾乳する express one's milk

 出産後間もなく、搾乳する時にI'll milk myself って言ったらすごい勢いで直されました。牛の乳搾りじゃないんだから、と。なお母乳も milk なので、「おっぱいですか、ミルクですか」みたいな日本語にとらわれてはいけません。どうしても区別するなら母乳は mother's milk です。授乳期間は同じ milk を出している仲間として、乳牛にシンパシーをすごく感じていました。ちょっとホルモンバランスがおかしかったかもしれません。ママ牛は赤ちゃんと引き離さらた上に人間にミルクを取られてかわいそうに。


オムツ nappy

 うちはダーリンは豪州人なのでnappy と言っていますが、アメリカ英語はdiaper。オムツメーカーで仕事をした時に日本人がカタカナで「ダイアパー」っていうのでビックリしたことがあります。業界用語として定着しているようでした。が、英語の発音は「ダイパー」です。「diamond ダイヤモンド」「diabetes 糖尿病」などにつられないでください。


滑り台 slippery dip

 オージーは絶対こういいます。辞書にもちゃんと載っています。ですが「豪」という印がついていて、アメリカで長く子育てをしていた友人に言ったらビックリしていました。米語はもちろん slide だそうです。なんでも略したいくせに、なんでここだけ突発的に音節数の多い用語なのか。全力で突っ込みたい。ホワーイ、オーストラリアーン!


離乳食 solid food


トイトレ、トイレトレーニング toilet training


おもらしをする wet one’s self

 ジョンがお漏らしをした John wet himself となります。


おまる potty


こんな感じで、日々子育てに必要な用語も学んでいるわけですが、

正直な感想としては、英語より日本語の方が赤ちゃん言葉は多いです。

英語は基本的に普通の英語で赤ちゃんに話しかけている。


それに対して、ニュートラルな日本語というのがあるとしたら、

赤ちゃんに対するレイヤー(赤ちゃん言葉)、

目上の人に対するレイヤー(敬語)のような、

TPOによるバリエーションは日本語の方が幅が広いなと思いました。


仮にここに日本語を全く知らない外国人がいて、

意地悪にも赤ちゃん言葉の日本語しか教えてあげなかった場合。

その人は大人の日本語を知らないので、

大人の日本人に対して赤ちゃん日本語で話すことになるのですが

そうすると社会的に死亡する可能性が非常に高いと思われます。


まあ、そんな学び方をする人はいないでしょうけど。


(*誤解を招くといけないので書いておくと、

もちろん英語にも敬語表現・丁寧な表現・くだけた表現は豊富にあります。

ただ、日本語のように動詞がまるっと変わってしまう、

ということはそんなにないように思われます。  例:食べる→召し上がる)



そんなわけで、実は主人が日本語の赤ちゃん言葉と出会った時の方が面白かったのです。


例えば、


ねんね(寝る)

あんよ(歩く)

あんよ(足)

くっく(靴)

ぽんぽん(お腹)

おてて(手)

まんま(ご飯)

うまうま(美味しい)


などは抱腹絶倒していました。


また、

おりこうさん

なども新しい表現だったようで、へえ〜といいながら学んでいましたね。


あと、日本語はサ行をタ行に変換すると

おおむね赤ちゃん言葉になるわけですが、それも新鮮だったようです。


彼は大学で日本語を修め、かつ翻訳を生業としており、難しい日本語も読みこなせます。

でも学校で習わない言葉というのはいくらでもありますね。

自分の英語学習と重ね合わせてみてもそう思います。日々勉強。


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