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執筆者の写真Makiko Kaiser

歳をとったら

更新日:2020年11月2日

私事ですが、私、秋生まれなのです。

特に今年は10の位が一つ増える、節目の年。

女性の平均寿命をそろそろ折り返しです。


通訳業界では、どちらかといえばまだ若い方じゃないかと思いますが

ヒトとしてそんなに若いとはいえなくなってきたと思いますので、

今後の仕事の仕方、これから教育費がかかる家計のこと、

さらには介護の問題が深刻になってきた実家のこと、

などなど色々考えています。


サンプル数として多いか少ないかわかりませんが、

身内が高齢化するプロセス、死んでゆくプロセスを何人か見てきました。

老いにあがらいつつ、だいたい皆似たような経過をたどっていきます。


今実家で88歳の祖母が96歳の祖父を介護するという、

限界に近い老老介護が行われているのですが、非常に難しいです。

物理的にもう無理なのですが、当人達は身の処し方をもう判断できない。

周囲の介入も受け入れられない。

残念ながら、祖父母のどちらかが大ケガをするか、

どちらかの寿命が尽きるまで、状況は変わらないでしょう。


別の祖母は認知症です。

20代の頃、この祖母宅に居候をしたことがありますが、

当時は周囲が認知症だとまだ認識しておらず

いつのかわからない古い食事が冷蔵庫の奥で腐っていたり、

調理に使ったフライパンを洗わないで戸棚にしまっていたり、

その結果、家中にゴキブリが跋扈していたりと、

悲惨な老いの実態を私が発見していくハメになりました。


そんな観察を経て自分なりに思うのは、人間、潔く引くべき時があるということです。

通訳も、多分そんなに超高齢になってもできる仕事じゃないでしょうね。

耳が聞こえて、目が見えて、現役の会社員と同じ程度の認知力がないと難しい。

フリーランスに定年はないけれど、頑張って60代までじゃないでしょうか。

それ以降どうしてもやるなら、例えば逐次案件はやらないとか、取捨選択していかないと難しいでしょうね。


生涯現役っていうのは耳障りがいいけれど、限界があるし、職業を選ぶと思います。

70代80代で稼働できるとしたら

自分が主役であるような立場(オーナー社長、スター経営者、スター俳優とか)か、

または誰でもできる単純作業や人手不足の業界でしょうね。


今の私の理想は、65くらいで通訳引退することです。

今も踊っている森下洋子さんより、

50でダンサー引退して芸術監督に就いた吉田都さんや、

40で見事に終わった安室奈美恵さんに惹かれます。


私はもちろんごく普通のヒトで、

アムロちゃんの引退年齢になるからと言って引退は出来ないわけですが、

可能な限りキレイなタイミングで引きたいという希望があります。

通訳のキャリアを活かしたかったら、現役引退した後にできることはあると思います。

教えるとか、通訳研究するとか。


そんなところから家計に思考が飛ぶわけです。

教育費と老後資金を同時に蓄えていかなくちゃ。


あと、通訳以外にも稼ぐ手段があるといいですよね。

もう少し、老いとの親和性の高い職業。

それを今、考えてるところです。


翻訳もいいと思います。

もともと、翻訳が嫌で通訳になったわけではありません。

締め切りの管理ができなくなったらダメですが。


英語を教えるとか?

苦労して英語を身につけてきたので、それならまあまあ、出来るかも。


人生100年って言いますから、何をするにせよ、まだ遅すぎないと思っています。


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