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オージー旦那が爆笑したニッポン英語

執筆者の写真: Makiko KaiserMakiko Kaiser

更新日:2020年8月16日

久しぶりの更新です。

ちょっとした事情で、コロナとは次元の違うところで、

仕事どころではない日々を過ごしております。


先日のこと。


オージーの旦那がメールを見て、突然笑い出しました。

子供の通う保育園から、毎日その日の活動内容がメールで送られてくるのですが、

それがおかしかったそうです。



要約すると、

「コロナで長らく中止していましたが、英語の時間が再開しました。

How are you? と英語の先生に聞かれて元気に I’m fine, thank you! と答える子供たち。

可愛かったです」

という内容でした。


この、I’m fine, thank you 部分が、彼にとってツボだったようです。

「Oh no! こんなの教えてもらっちゃ困る!」と言いながら、ひとしきりお腹を抱えて笑っていました。


でも習いますよねー。

英語の授業で、私も中学一年生になってすぐ覚えたフレーズです。

How are you?

I’m fine thank you, and you?

I’m fine too, thank you.

のようなダイアローグを丸暗記しました。

(当時、英語は中学からでした)


ただ、現代の英語ネイティブは I’m fine, thank you とは言わないです。

一応、わたしも英語通訳になって15年。

リアルにこのフレーズを言ったお客さんは記憶にありません。

私も How are you? って聞かれたら、I’m well, thank you などと答えると思います。

I’m alright とか、I’m good とか、他にもバリエーションはあるでしょう。


でもそういえば、I’m fine thank you って言うフレーズがどんなニュアンスなのか、考えたことなかったな。と思い、

まだ肩をピクつかせてウケている、うちのオージーに突撃取材を試みました。


(夫婦の会話はほぼ英語ですが、以下、日本語に訳してお届けします)


私「ねぇねぇ。I’m fine thank you ってどんな風に聞こえてるの?」


オージー「なんかすごく時代がかって聞こえる」


私「へぇー」


オ「まるでマイフェアレディみたいだよ。本物の上流階級じゃなくて、上流階級ぶろうとしている人たちが、フィニッシングスクールで習う会話みたいだ。すっごいおかしい」

(注: フィニッシングスクールは、行儀作法を身につけるための、いわば花嫁学校的なやつだと思います。男性用のもあるのかな。)

私「そうなんだー。19世期や20世紀前半の、ある階級の人だけが 使ってたって感じ?」

オ「そうそう」

私「現代の英語ではやっぱり使わないの?」


オ「ぜーーーったい、言わない!言うわけない」

私「じゃあHow are you? って聞かれたらなんて言う?」

オ「I’m alrightかな。I’m OK でもいいよ」

私「じゃあどう言う時にI’m fine って言う?」

オ「大丈夫じゃないときに、大丈夫って言いたい時とか」

私「電柱に頭ぶつけて、大丈夫?って聞かれて、星が飛んでるのに虚勢張ってる感じ?」

オ「そうだね。アメリカンなら言うかもね。大丈夫じゃないときでさえ、やたらとポジティブに持ってくのは、すごくアメリカっぽい」


…とのことでした。

大変勉強になりました。


公平を期すために書いておくと、うちの旦那はとことんカジュアルとフェアネスを志向するオーストラリア人なので、

逆に階級制度やアッパークラスをちょっと馬鹿にしてるところがあります。

アメリカに対する見方も、ステレオタイプ過ぎる気がしますね。


推測するに、日本の英語教育の基礎を築いたのは、I’m fine, thank you がステキな英語だと思っていた人たちなんでしょうね。

それが脈々と受け継がれて、こんにちのニッポン的ガラパゴス英語になったと。

(違ったらごめんなさい。英語教育史に詳しい方、ぜひ調べてみてください)


他にも学校で習った英語が違ったんだな、と思うことはちらほらありました。

たとえば、between は二つのものの間。

amongは三つ以上のものの間。

って習ったのですが、これもあやまりです。そういう使い分けではありません。


というわけで、全国の英語の先生方!

そろそろお手持ちの英語教材、ネイティブチェックをかけて、

大々的にアップデートしてみてもいいかもしれないですよ!

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