• Makiko Kaiser

【消費財業界の通訳 その2】消費財業界のサイクルと販売スペースの種類

最終更新: 2020年5月11日


さて、FMCGの世界ですが

だいたい一年を二つに分けて、半期(半年)ごとのサイクルで回ってます


企業によって若干の前後はありますが、

おおむね4~9月の半年と、10~3月の半年です。


店には商品棚がずらっと並んでています。

みなさん、よく買う商品だったらどこに何があるのか把握していて

欲しい商品がある棚に向かっていきますよね?

消費者の我々に「いつもあそこにあれがある」という安心感を与えてくれる棚を、

定番棚 regular shelf と言います。


定番棚の品揃えは半年間変わりません

でも、ある日、あそこにいつも使っているあれがあるから買おうと思ったのに

店の中で全然違う場所に行っちゃってて見つけるのが大変だった、

ってこともあるかもしれません。


それはきっと半年のきざみがきて、棚のラインナップや棚の位置が変わったからです。

これを棚替えshelf change と言います。


従来の売り上げや、新しい商品があればニュース性などを勘案して

次の半年に向けた商品の選定を行うのが小売業者のバイヤーさん 。

バイヤーさんに対してプレゼンを行って、商品を売り込むのがメーカーや卸の営業さんです。


そしてこれ超重要キーワードですから覚えてってください。

「棚にどういう商品をどこにどう並べるか」を

棚割(たなわり)と言います。英語は planogram。プラノグラムです。

日本語もカタカナでプラノグラムっていうことありますよ。


よくある商品棚の幅って90cmとかなんですが、

店舗の大きさによって

カテゴリ category (ストッキング、手洗い石鹸等の商品別のカテゴリ)に

与えられている棚のスペース (shelf space) って違いますよね。

でも大きいスペースも小さいスペースも、小売業者の目的はただひとつ。

最大限に効率の良い棚割を組むことです。ここで効率というのは売り上げのことです。


単純に行って単価の高い商品が多く売れれば売れるほど、

棚効率shelf efficiency は高いです。


ただ、高い商品ばかりにニーズがあるわけではないので、

そこは消費者の需要を見ながらいろいろバランスよく組んで、

棚全体としての売り上げを最大化していきます。

これはバイヤーさんの腕の見せ所。

いくらの商品が月あたり幾つ売れるのかを冷静に把握し分析する必要があります。


だって3足1000円のストッキングで十分。高いのは要らないよという場合と、

1足1000円超の高級勝負ストッキングが欲しい場合と、ありますもんね。

消費者としては両方置いておいて欲しいですよね。


4~9月の春夏の期間に関して商談するのを春の棚割とか、春の棚割商談と言います。

10~3月の秋冬の期間に関して商談するのを秋の棚割秋の棚割商談と言います。

英語はspring/autumn negotiation とか、planogram negotiation 等で良いでしょう。

バリエーションが欲しかったら、talk to buyer とか、適宜アレンジすればよろしいかと思います。


春夏の半年をSS、秋冬をAWと呼ぶのはファッション業界などと同じ。

上期をSS window、下期をAW window と呼んだりします。


この半期ごとの棚割商談は、定番棚に関しての交渉になります。


でも思い出してみてください。

定番棚とは別に、レジの前や、店舗の入り口などに、

より短期間のサイクルで品揃えの変わるスペースがありますね。

「本日の特売」みたいなポップ POP がついて、

お買い得品が店前のカゴに盛ってあったりするやつです。


そういうのは総称してアウトスペースout spaceプロモスペースpromo space などと呼ばれます。

エンドスペース end spaceという言葉もありますが、

定番棚が背中合わせになっているのの一番はじに、

お誕生日席のような位置に通路に向けて置いてある棚のことを指します。



近所のドラッグストアで隠し撮りしてきました。

頑張って説明書きを盛り込んでみましたがどうでしょうか。


この写真の場合、エンドスペースは保湿製品を集めた構成になっています。

季節の変わり目ということもあり

乾燥肌が気になる人が多いだろうという趣旨での企画(プロモーション)だと思います。

定番棚の方はヘアケア商品で、シャンプーなどが置いてあります。


こういうプロモの期間は小売チェーンによって色々みたいですが、

多いのは2ヶ月単位みたいですので、

この事例もしばらくすると保湿ではない商品に入れ替わると思います。


メーカー目線では、

定番棚でメーカー希望小売価格で売ってもらうのがビジネスの核ではありますが、

商品について既存のユーザー以外にも幅広く知ってもらって、試してもらうのも大事なことです。

または若干ディスカウントしても、既存の在庫を売り切ってしまいたいという場合もあるでしょう。

そのような時にプロモスペースを狙って商談をして

アウト展開 out display (定番棚以外に商品を陳列すること) を狙っていきます。



次の回で詳しく述べますが、

定番棚ではなくアウトスペースに並べられる、多くは期間限定の商品を、

企画品、プロモ品 promo product, promotional product などと言います。


対義語は定番棚に半年間に渡って並ぶ商品で、定番商品 regular product です。


それと、季節商品を並べた棚っていうのもありますね。

暖かい季節にしか売れないもの(蚊取り線香など)、

逆に寒い時期にしか売れないもの(カイロなど)などは、

ある程度は定番棚にも入るかもしれませんが、

季節性商品をまとめた棚に大集合していたりもします。

これは季節棚 seasonal shelf と言います。


どんな棚を狙うにせよ、店に並ばないと売れないですから、各メーカー必死です。




今回のtake away 

棚割(たなわり) planogram 
商談 negotiation
定番棚 regular shelf 
アウトスペース out space 
プロモーション promotion 
エンドスペース end space 
アウト展開 out display 
棚替え shelf change 
季節棚 seasonal shelf 
定番品 regular products
企画品、プロモ品 promo products




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新型コロナが始まって1年以上経ちました。 個人的には二度目の妊娠出産がありました。 通訳界隈では、オンラインの利用が普及しました。 1年ちょっとまえは、 同じ部屋で2本のマイクを同時にONにしたらハウリングする、という事実も 通訳者の常識ではありませんでした。今はみんな知ってますよね。 オンライン会議に自宅から入るのもすっかり慣れました。 リモートワーク、私は大好きです! 「通訳を提供する」という

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