• Makiko Kaiser

【消費財業界の通訳 その1】消費財業界の登場人物たち

更新日:2020年5月13日

2014年にフリーランスになる前、社内通訳として5社8年勤務しました。

経験業界は、半導体・ITコンサル・自動車・消費財・広告です。


広告会社にいた時も消費財の案件に携わっていたりしたので

消費財メーカー+広告会社にいた2年+フリーランスでやってきた期間で

それなりにB to Cでモノを売る業界のことは学べたかなと思います。


そこで、一人の日本語-英語通訳者の目線で、通訳をするときに踏まえておきたいポイントを書いていきたいと思います!


*あくまで通訳者目線での理解と訳出のポイントを書いていきます。

もしかしたら私が誤解している部分があるかもしれませんが、ご容赦ください。

そしてお手間でなければメールで教えてください!


まず業界ですが、

消費財は個人が消費するモノを言います。

例えば、今すごく必要なマスク、殺菌関連の商品、トイレットペーパー等々です。

消費財って辞書でひくと consumer goods, commodity consumed 等が出てきますが

通訳としてはFMCG という用語を知っておきたいです。


FMCG は fast moving consumer goods の略で、いわゆる日用消費財を指します。

(冷蔵庫や洗濯機のように何年も使う耐久消費財に対して、洗剤等の日々消費していくもの)

出てくるときは前置きなくパッと出てきますし、

日本語でもそのまま、エフエムシージーです。舌を噛まないように。(笑)


次に登場人物から。

商品を作るメーカー manufacturer, maker

それを仕入れる卸売業者 wholesaler

卸売業者から仕入れる小売業者 retailer またはtrade

小売業者の店舗で消費者 consumer またはshopper が買う。

という流れになります。







知らないと「?」ってなるのが trade という言葉です。

手元にあるランダムハウスを引くと名詞のtrade の第四義に「小売商」という意味が載っています。

FMCGの世界でトレードといったらこの意味です。国際貿易の話じゃありません。

日本語でもカタカナで「トレードさん」といったりします。

小売業者向けのサンプルはトレードサンプル trade sample、

小売業者向けの提案資料はトレードデック trade deck です。


お店で買い物をする我々は 消費者 consumer ですが、

shopper (日本語でもショッパー)という言葉も頻出します。

商品によってはお店で買う人shopper が、実際に商品を使う人 consumer, user と違うことがあるため、

マーケティング施策が変わってきたりするという背景がありますので

原発言に忠実に訳す必要のある言葉の一つです。


(私が経験があるのは、お母さんが買って子供が使う商品。

ティーンエイジャー向けのニキビケア用品などがその例です)


さて日本のFMCG界は、どうも卸業者の力が強いらしく

卸をすっとばしてメーカーから直接小売業者へ納品、というのはないみたいです。

たぶん例外はプライベートブランド(PB, private brand)

(例:イオンの「トップバリュ」、セブンイレブンの「セブンプレミアム」)

PBではないものはナショナルブランド national brand (NB)と言います。


(イオンで牛乳を買う場合、トップバリュに対して、

明治や雪印や小岩井などがナショナルブランドです。)


さて、日本市場に特徴的であると言われるのが、卸業者を小売業者が指定していること。

例えばハンドソープだったら、卸売のA社から仕入れると、

小売業者(スーパーマーケットやドラッグストア)側が決めているということです。

卸売B社やC社はそこには入れないのです。


商品を作っているメーカーからすると、小売の指定する卸A社とうまくやっていく必要があります。

この、「小売業者が特定のカテゴリに対して出入りを許している卸売業者」を

日本語で「帳合企業(チョウアイキギョウ、チョウアイ)」と言います。


会議中、「チョウアイはどこ?」「パルタックです」のような会話が発生するわけですが、

訳は普通にwholeseller でいいです。通訳を聞いている人には日本の業界構造は周知なので。


*なおパルタックは日用品・一般医薬品の卸売大手です。


小売業者には色々な種類がありますよね。


どこにでもあって便利なコンビニは convenience stores。

資料等に出てくるときの略語はCVS。日本語でもシーブイエスって言います。


ドラッグストアはdrug stores(DS)。

立地によって店舗の大きさが様々あり、当然アプローチも変わってくるので

ドラッグS、ドラッグM、ドラッグLなどと分けて議論されることがあります。


イオンやイトーヨーカドーなどの、

必要なものがなんでも揃う大型のお店はGMS(general merchandise store )


東急ストアやライフなどのスーパーマーケットsupermarketはSM


郊外に大型店舗を構えて割と安い価格で売るのがホームセンターhome center, HC です。


そのほか、マツキヨに代表されるディスカウントストア discount store

会員制のコストコCostcoAmazon などの e-commerce (EC) なども、

もちろん忘れてはいけません。


(ちなみにコストコですが、英語だとT音が落ちて「コスコ」に聞こえることが多いです。

ぼーっと聞いてると「コスト」に聞こえちゃうので、

実際「費用」って英語から日本語に訳出しちゃった人見たことあります。

まあ、コストコあるあるですよねー)


こういう小売業者の分類をチャネル channel って言います。

テレビのチャンネルと同じ英単語ですが、この文脈ではぜひチャネルって言ってください。


全国展開している企業 (広域企業 national account) だけでなくて

日本全国に地場の小売業者さんがいますので、聞いたこともない固有名詞が出てきたりしますよ。



今回のtake away 

FMCG 
メーカー manufacturer
卸、帳合 wholesaler 
小売 retailer, trade 
ショッパー shopper 
プライベートブランド PB
ナショナルブランド NB 
チャネル channel 
CVS コンビニ
GMS 
SM スーパーマーケット
DS ドラッグストア
HC ホームセンター



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